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『すきまをみつめる』2002年 120号S

   和紙、金属粉、アクリル、廃材など

豊橋市美術博物館蔵

芸大で日本画を学んでいた当時には団体展に出品したりしていました。が、レセプションに出席しても絵画の話しもなく、熱く語る先人も見当たらず…物足りないというか、とても残念な思いでいました。

それよりは個展やプロジェクトという形で町にでることの方が刺激的でいつのまにか団体展の会場から足が遠のいていました。

 

しかし6年ものあいだ『日本画』というものとつきあってしまうと、そこには日本の大きな問題が横たわっているのではないかという思いが頭から離れません。そんな私にとって『明日の日本画を求めて』というキャッチはとても魅力的にうつり出品に至りました。

 

実際、私は『日本画』の成立には日本の大きな問題が潜んでいて、現在を生きる私たちにも少なからず影響を与えていると考えています。

それが今回の出品作『すきまをみつめる』のテーマとなっています。

 

画面左にドット状に分割された私自身がプリントされています。

私たちが日常目にするテレビやパソコンの画面。いつのまにかそこには事実が写し出されていると錯角しがちです。しかしそこに私自身が映し出されたとしても、それはあくまでも光の集積であるドットに過ぎません。

情報は管理され不必要なものはそぎ落とされそこに『すきま』はありません。

そこに映るのは私自身ではなく、私らしきものに過ぎないのです。

 

余分なものを整理し、体系化し、権威化を図る。そこに私は『日本画』と『現代日本』の成立と共通性を感じます。

 

私は現在奈良の自然の中で高校生に美術を教えています。彼らとの関係はけっしてドットの中に埋没するものではありませんし、自然が多くのことを教えてくれます。出品作に見られる『錆』は自然の象徴です。

 

もう私たちは単純に自然の中に暮らすわけにはいきません。

私は今『すきま』の見えないこの世界と『自然』とのうまい両立をさがして生きています。

                                     三瀬夏之介

豊橋トリエンナーレ図録より

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